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蒼穹のファフナー文章(ときどき絵)サイト
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らぶらぼ1
「うあああっ、もうやだやだ!」

火曜日、2限目、雲一つない快晴。
一騎は屋上でひとりじたばた叫んだ。

澄み切った青い空がなんだか恨めしい。
中学生とは実に悩みの多いもので、例に漏れず一騎もずぶずぶとハマりまくっていた。

悩みとはそう、昨日の戦闘の時の事である。
いつものようにフェストゥムと戦っていた一騎だったが、少々押され気味だった。
そこへジークフリードシステムの総士から声が響く。

「一騎、もっと僕を感じるんだ」

その瞬間、ふわっと自分の身体の中に自分じゃないものが侵入して一体化する感覚。
耳元ではなく頭の中に直接響く総士の声。

「そ・・・うし?」

ひとつになるんだ、と頭の中で総士が言った。

その途端、見違える程動作のキレが良くなったマークエルフは、フェストゥムを瞬殺したらしい。

と、後で父親に聞いた。
言えるはずなかったけど、実は、いまいちそれからの記憶がはっきりしていない。

「総士って鈍いくせにさぁ」

とてつもないエロ爆弾を投下するのだ、戦闘中に。
その瞬間は、確かに自分も戦闘に集中してるから、ぼーっと、いわゆるされるがまま(←主観的に)状態なのだが、
フェストゥムを倒してさぁ帰るかと思った時にどばーっと、かああああーっと頭の中がピンク色で埋まるのだ。
おまけに、よく頑張ったな、身体、辛くないか?なんて声を掛けてくるもんだから、
なんかもうそれは「事後の会話」っぽくて余計恥ずかしくなったりする。

こんなに、総士の事が好きなのに。

しかし当の本人は全くそんな気持ちには気付いていない。
いや、気付いていてあんな言葉責め(←主観的)するんだったらかなりのSだ。や、Sでもいいけど(?)

ぐるぐるぐるぐるした一騎は、はぁ、と大きな溜息を吐いた。

「ひとつになりたいよ」

肉体的な意味で。

思春期の健全な男子の脳内に、「サボり」という言葉は存在していないようである。















「一騎くーん、またこんなとこでサボってたの?」

15分後、授業が終わったらしい真矢が屋上に来た。
一騎は浮かない顔で言う。

「それどころじゃないんだって」

真矢はノートをぽん、と一騎の顔に被せる。

「一騎くんの場合、勉強の方がそれどころじゃないと思うよ、はいこれ数学」

一騎はノートを取ると起き上がった。

「いつもありがと」

真矢は笑う。

「どうせまた皆城くんのこと考えてたんでしょ?」

「う」

一騎の困った顔を見て真矢は肩をすくめた。

「言っちゃえばいいのに」

真矢は空を見上げて笑う。

「うう」

一騎はうつむく。

「まぁ、鈍すぎるもんね、うん、わかるよ、ちょっとだけ」

真矢は一騎の頭をなでなでする。

「応援してるよ、私は」

「・・・ありがと」

二人の上の空はやっぱりどこまでも青かった。

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