蒼穹のファフナー文章(ときどき絵)サイト
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2024.11.24 Sunday
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上か下か
2011.11.19 Saturday
「俺が下なのか?」
「何か問題あるか?」
一騎は総士に見下ろされたまま固まった。
「ちょ、ちょっと待ってよ」
一騎が慌てふためいて総士を見上げると総士は怪訝な顔をして覗き込む。
どうしていつもお前のペースなんだよ、と一騎は心の中で舌打ちをすると、
こんなの公平じゃないと呟いた。
今から十数分前。
紆余曲折を経て晴れて恋人同士になった二人はいわゆる、そーゆー気分になって
(昼間なのに)総士の部屋に来た。
お互いなんとなくのアイコンタクトで気持ちが通じてしまったのが嬉しいような恥ずかしいような。
丁度ミーティングが終わり、その後これといって予定の入ってなかった二人は
廊下をそそくさと俯いたまま早足で歩いた。
人通りの多い通路ではなんだか自分達のうしろめたい気持ちが周囲に気付かれてしまいそうな気がして
顔を上げることが出来なかった。
あともうちょっと、あの角を曲がれば。
曲がったところで数歩前を歩く総士の手が自分の前に伸びた。
空中でそのまま止まっているところを見ると、手を繋げ、ということらしい。
一騎は誰もいないのをもう一度確認すると、そっと総士の手に自分の手を重ねた。
途端にぎゅ、と強く握りしめられて、ほっとするようなでも恥ずかしい気持ちでいっぱいになってしまった。
総士の部屋まではあと少しだ。
着いたら、とその後のことを考えると歩く動作までいちいちいぎこちなくなってしまう。
前を歩く総士は相変わらず何を考えているのかわからなかったが、ずっと無言だったあたりで
なんとなくその心情が把握出来てしまうような気がするのは長年の付き合いなのかなんなのか。
と、いろいろ考えているうちに気が付けば総士の部屋の前までたどり着いていた。
シュン、と音がしてドアが開く。
その先は昨日と変わらないただの部屋なのに、なぜか心臓がどきどきして一騎は更に俯いてしまった。
二人が入り終えるとまたシュンと同じ音を立ててドアが閉まり、
ついにその時が来てしまった、と早すぎる鼓動はピークを迎えた。
俯いたまま微動だにしなかった一騎だったが、両肩に総士の腕が置かれたと思った瞬間、視界が一変した。
目の前に広がるのは天井と総士の顔、そして背中にはスプリングの軋む感触。
数秒経ってやっと自分がベッドに押し倒されたのだと理解することが出来た。
そして、
「俺が下なのか?」
冒頭の会話に戻る。
「お前、もしかして僕を抱きたかったのか?」
暫く沈黙が流れた後、総士は至極真面目な顔をして言った。
「あ…え?」
「そうなのか?」
ベッドに両腕を押さえつけられて馬乗りになられたまま言われてもなんだかもの凄く真実味がないんだけどな、
と一騎は思ったが、体力馬鹿な一騎でもこの不利な体勢から起きあがることは叶わず、おとなしくそのままの格好でいた。
「抱きたいって…そんな」
一騎が困って言いよどむと、総士はぷっと吹き出して笑う。
何がおかしいんだよ、と睨めばだって、と総士は続けた。
「男同士でどうやってやるのかお前わかるか?どんな風に愛撫して相手の緊張といて、どうやって解して…」
ここ、と総士は一騎の制服のズボンの上からその一点を押す。
「なっ…!!」
一騎が顔を真っ赤にして睨むと、ごめんごめん、と総士は謝った。
「でも、お前に抱かれる僕なんて想像出来ない」
ときっぱり総士は断言した。
お、俺だって、と一騎はすかさず反論する。
だってそうだ、まがりなりにも男に生まれて、最初から抱かれるのが当たり前だなんて思えるはずがないじゃないか。
一騎が悶々と自分の中で格闘していると総士は言った。
「じゃあ、お前は僕を抱くのが想像出来るか?」
出来るに決まってんだろっ、と言いたかったが一騎はしばし考える。
総士を抱く。
生憎女の子すらまだ抱いたことなんて無いのだけれど、でもやり方くらいは心得ているつもりだ、と自分では思う。
たぶんその、男だったら使う穴が違うだけで…。
そこに指を入れてゆっくり解して、腕の下で切なげに喘ぐ総…士?
そこまで考えてまじまじと上にある総士の顔を見上げた。
この顔がこの声が、と想像するだけで途端に自分の顔が熱くなっていくのがわかる。
「あ…」
と呟いたきり一騎はその後の言葉を紡ぐことが出来なかった。
「お前には無理だって」
と未だ押し倒す体勢のまま総士は笑って言った。
なんだっていつもこの男は有り余るくらいの余裕を持っているのかさっぱりわからなかったが、
なんだか悔しくてたまらない。
お前だって、俺を抱くのが想像出来るのか?とやっとの思いで一騎は言った。
すると、もちろん、とまた余裕たっぷりの笑みが返ってくる。
「僕はシミュレートするのが得意なんだ、だから毎日一騎のどこが弱いかとか、
昨日よりももっとどこを責めれば可愛い声出すだろうかとか」
「ああああっ!!もういい!もういいからっ!!」
ぶつぶつと語り出した総士の言葉をありったけの叫び声で一騎はぶった切る。
そうだこの男はシミュレートが大の得意だった、それを失念していた自分にげっそりする。
というか毎日何考えてんだ、と思ったがなんとなく怖くてそれを口にすることが出来なかった。
なんかもう怒りたいとかそういう気持ちは通り越してしまった気がする。
「じゃあ、いいか?」
一騎がぐるぐる考えているのも知らず総士は何て事ない顔でそう言った。
何が!と一騎が言えば、続き、と一言発して総士は一騎の制服に手をかける。
「あ、ちょ、ちょっと待ってってば」
やたらと素早い総士の行動に、お前どこでそんなこと覚えてきたんだよ、
と疑念が沸かなくもなかったが、今度は手をしぶしぶ止めた総士に睨まれてしまう。
「ぃや…なんでも、ないです」
一騎がぼそりと呟くと、総士はにこりと笑って言った。
「心配しなくても気持ち良くしてやるから」
意識飛ぶくらいね、と笑みを深くした総士に一騎はただならぬ恐怖を感じつつ、
まぁ気持ち良ければそれでいっか、となんだか納得してしまった。
最初からそうと決められてるのにはちょっと反抗したくなるのだが、まぁ結局はどっちだっていいのだ。
とか考えている内に上半身を覆うものは総士によってほとんど脱がされてしまい、
どうしていいかわからなくなった一騎の唇はすかさず総士が塞いでしまった。
総士ってやっぱりすごいな、とかなり場違いな感想を一騎は抱きつつ、総士の舌と手にだんだん翻弄されていった。
総士は総士で、緩急をつけて愛撫を施すとびくびく震える一騎を見ては、
やっぱり僕のシミュレートは正しかったんだとこちらも場違いな感想を抱いていた。
こんな感じで二人の初めてのSEXは進んでいったのである。
「何か問題あるか?」
一騎は総士に見下ろされたまま固まった。
「ちょ、ちょっと待ってよ」
一騎が慌てふためいて総士を見上げると総士は怪訝な顔をして覗き込む。
どうしていつもお前のペースなんだよ、と一騎は心の中で舌打ちをすると、
こんなの公平じゃないと呟いた。
今から十数分前。
紆余曲折を経て晴れて恋人同士になった二人はいわゆる、そーゆー気分になって
(昼間なのに)総士の部屋に来た。
お互いなんとなくのアイコンタクトで気持ちが通じてしまったのが嬉しいような恥ずかしいような。
丁度ミーティングが終わり、その後これといって予定の入ってなかった二人は
廊下をそそくさと俯いたまま早足で歩いた。
人通りの多い通路ではなんだか自分達のうしろめたい気持ちが周囲に気付かれてしまいそうな気がして
顔を上げることが出来なかった。
あともうちょっと、あの角を曲がれば。
曲がったところで数歩前を歩く総士の手が自分の前に伸びた。
空中でそのまま止まっているところを見ると、手を繋げ、ということらしい。
一騎は誰もいないのをもう一度確認すると、そっと総士の手に自分の手を重ねた。
途端にぎゅ、と強く握りしめられて、ほっとするようなでも恥ずかしい気持ちでいっぱいになってしまった。
総士の部屋まではあと少しだ。
着いたら、とその後のことを考えると歩く動作までいちいちいぎこちなくなってしまう。
前を歩く総士は相変わらず何を考えているのかわからなかったが、ずっと無言だったあたりで
なんとなくその心情が把握出来てしまうような気がするのは長年の付き合いなのかなんなのか。
と、いろいろ考えているうちに気が付けば総士の部屋の前までたどり着いていた。
シュン、と音がしてドアが開く。
その先は昨日と変わらないただの部屋なのに、なぜか心臓がどきどきして一騎は更に俯いてしまった。
二人が入り終えるとまたシュンと同じ音を立ててドアが閉まり、
ついにその時が来てしまった、と早すぎる鼓動はピークを迎えた。
俯いたまま微動だにしなかった一騎だったが、両肩に総士の腕が置かれたと思った瞬間、視界が一変した。
目の前に広がるのは天井と総士の顔、そして背中にはスプリングの軋む感触。
数秒経ってやっと自分がベッドに押し倒されたのだと理解することが出来た。
そして、
「俺が下なのか?」
冒頭の会話に戻る。
「お前、もしかして僕を抱きたかったのか?」
暫く沈黙が流れた後、総士は至極真面目な顔をして言った。
「あ…え?」
「そうなのか?」
ベッドに両腕を押さえつけられて馬乗りになられたまま言われてもなんだかもの凄く真実味がないんだけどな、
と一騎は思ったが、体力馬鹿な一騎でもこの不利な体勢から起きあがることは叶わず、おとなしくそのままの格好でいた。
「抱きたいって…そんな」
一騎が困って言いよどむと、総士はぷっと吹き出して笑う。
何がおかしいんだよ、と睨めばだって、と総士は続けた。
「男同士でどうやってやるのかお前わかるか?どんな風に愛撫して相手の緊張といて、どうやって解して…」
ここ、と総士は一騎の制服のズボンの上からその一点を押す。
「なっ…!!」
一騎が顔を真っ赤にして睨むと、ごめんごめん、と総士は謝った。
「でも、お前に抱かれる僕なんて想像出来ない」
ときっぱり総士は断言した。
お、俺だって、と一騎はすかさず反論する。
だってそうだ、まがりなりにも男に生まれて、最初から抱かれるのが当たり前だなんて思えるはずがないじゃないか。
一騎が悶々と自分の中で格闘していると総士は言った。
「じゃあ、お前は僕を抱くのが想像出来るか?」
出来るに決まってんだろっ、と言いたかったが一騎はしばし考える。
総士を抱く。
生憎女の子すらまだ抱いたことなんて無いのだけれど、でもやり方くらいは心得ているつもりだ、と自分では思う。
たぶんその、男だったら使う穴が違うだけで…。
そこに指を入れてゆっくり解して、腕の下で切なげに喘ぐ総…士?
そこまで考えてまじまじと上にある総士の顔を見上げた。
この顔がこの声が、と想像するだけで途端に自分の顔が熱くなっていくのがわかる。
「あ…」
と呟いたきり一騎はその後の言葉を紡ぐことが出来なかった。
「お前には無理だって」
と未だ押し倒す体勢のまま総士は笑って言った。
なんだっていつもこの男は有り余るくらいの余裕を持っているのかさっぱりわからなかったが、
なんだか悔しくてたまらない。
お前だって、俺を抱くのが想像出来るのか?とやっとの思いで一騎は言った。
すると、もちろん、とまた余裕たっぷりの笑みが返ってくる。
「僕はシミュレートするのが得意なんだ、だから毎日一騎のどこが弱いかとか、
昨日よりももっとどこを責めれば可愛い声出すだろうかとか」
「ああああっ!!もういい!もういいからっ!!」
ぶつぶつと語り出した総士の言葉をありったけの叫び声で一騎はぶった切る。
そうだこの男はシミュレートが大の得意だった、それを失念していた自分にげっそりする。
というか毎日何考えてんだ、と思ったがなんとなく怖くてそれを口にすることが出来なかった。
なんかもう怒りたいとかそういう気持ちは通り越してしまった気がする。
「じゃあ、いいか?」
一騎がぐるぐる考えているのも知らず総士は何て事ない顔でそう言った。
何が!と一騎が言えば、続き、と一言発して総士は一騎の制服に手をかける。
「あ、ちょ、ちょっと待ってってば」
やたらと素早い総士の行動に、お前どこでそんなこと覚えてきたんだよ、
と疑念が沸かなくもなかったが、今度は手をしぶしぶ止めた総士に睨まれてしまう。
「ぃや…なんでも、ないです」
一騎がぼそりと呟くと、総士はにこりと笑って言った。
「心配しなくても気持ち良くしてやるから」
意識飛ぶくらいね、と笑みを深くした総士に一騎はただならぬ恐怖を感じつつ、
まぁ気持ち良ければそれでいっか、となんだか納得してしまった。
最初からそうと決められてるのにはちょっと反抗したくなるのだが、まぁ結局はどっちだっていいのだ。
とか考えている内に上半身を覆うものは総士によってほとんど脱がされてしまい、
どうしていいかわからなくなった一騎の唇はすかさず総士が塞いでしまった。
総士ってやっぱりすごいな、とかなり場違いな感想を一騎は抱きつつ、総士の舌と手にだんだん翻弄されていった。
総士は総士で、緩急をつけて愛撫を施すとびくびく震える一騎を見ては、
やっぱり僕のシミュレートは正しかったんだとこちらも場違いな感想を抱いていた。
こんな感じで二人の初めてのSEXは進んでいったのである。
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