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蒼穹のファフナー文章(ときどき絵)サイト
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君と僕とあの夏の日と20 end
その数日後、一騎はバレー部の練習に復帰することとなった。
怪我のせいで約一ヶ月近く休んでいたのだが、普段の調子に戻るのに一週間と時間はかからなかった。
もっとも、一騎は遅れと勘を取り戻すために朝から自主練をかかさなかったし、周りの部員達も協力してくれた。
そんなに必死に練習したのも、監督が一騎のためにレフトのポジションを空けておいてくれたからだった。

「おつかれさまでした」

一騎は深く一礼をすると体育館を後にする。
そして小走りに廊下を進むと、校門で待っているだろう人物のもとへ向かった。
走りながらちらりと見上げた時計は午後5時を少し回ったところで、 もしかしたら結構待たせちゃったかな、とちょっと申し訳ない気持ちになる。

「ごめん、待った?」

後ろから声をかけると、校門の柱の所からひょい、と顔がのぞく。総士だ。
突然吹いてきた風が総士の髪をふわりと巻き上げてオレンジ色にきらきらと輝いた。
なんか、こういうの、似合うよなぁと一騎はぼんやりと総士を見つめていると、総士は怪訝そうな顔をする。

「疲れてるのか?」

「えっ?」

「急にぼんやり立ち止まってるから」

「あ、いや、そうじゃなくて、待たせたかなぁと思って、ごめん帰ろ」

一騎は慌てて言うと、総士の背中をぽんと押した。

「試合は、出られそうなのか?」

駅までの道を歩いていると、総士はおもむろに口を開く。

「うん、監督がポジション空けててくれて、さ」

「そっか」

「あ、土曜、もし空いてたらさ」

「もちろん、そのために空けてあるよ」

見に行くから、と総士は言って微笑んだ。
まじまじと目が合ってしまった一騎は、なんだか恥ずかしくなって下を向いてしまう。
「一騎?」と呼びかける総士の声にまた心配が混ざっているような気がして一騎はぶんぶんと首を振ると、 「約束だからな?」 と言って今度は総士に笑いかけた。 そのまま一騎は続ける。

「この一ヶ月でさ、色々変わったような気がする」

「ん?」

「なんかさ、見えなかったものが見えたり、一人じゃないって思えたり」

「一騎」

「全部、総士のおかげかもしんない」

そう言って一騎は総士を見上げると、ちょっと戸惑ったような顔がそこにはあって、 なんだか少し可笑しいような気分になる。
すると、総士が口を開いた。

「高校に入ってから、一騎と話す時間が少なくなってどうしてるのかなってずっと思ってたんだ」

「けど、変わってなくて良かった」

「え?」

「色々あって、一騎が大変だったのはわかってるつもりなんだけど、本当は僕の方が一騎の存在に 助けられていたのかもしれない」

そこまで言うと、総士はこちらを向いてまた少しだけ微笑む。
一騎はその意味がわからなくて、「どうして?」と小さく呟いた。
総士はそんな一騎を見て「ごめん、言葉が足りなかった」と言うとまた続ける。

「学校からの帰り道がこんなに楽しいなんて今まで思えなかった、たぶん、一騎がいたからだと思う」

「…なんか、そんな風に言われると照れるけど、でも、うれしいな」

「本心だぞ?」

「わかってるよ」

一騎は思わず緩んでしまう顔を抑えきれずに口元を緩めると、そっと、総士の腕に自分の腕を絡める。
そして総士に向かって言った。

「これからも、一緒に帰っていいかな?」

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君と僕とあの夏の日と19

病院を後にすると最寄の駅から電車に乗り、二人はいつもの駅で改札を出た。
空を見上げれば徐々に夕暮れから夜に変わる頃のようで、一騎は3週間前のことを思い出す。
あの時はやたら不気味に思えて、目の前の総士の背中を追いかけることしか考えなかった。
そして視線を繋がれた手に落とす。
今日は、手繋いでるから平気なのかな、なんて柄にもないことを思っていると総士の声がした。

「着いたぞ」

慌てて顔を上げると、そこには遊具の撤去作業が始まったらしい公園があった。
あの時は青いビニールシートばかりだったのに、今日はそれがほとんど剥がされている。
そして中にあった遊具はそのほとんどが解体されかけていた。

「やっぱり、もう結構なくなっちゃってるんだね」

一騎がぽつりと呟くと、総士はおもむろに歩き出す。
そして侵入禁止のロープを軽く乗り越えると、繋いだ手を引っ張った。
一騎も手を引かれるままに乗り越えて歩いて行くと、立ち止まった先には、なぜか3週間前と
同じで手が付けられてないままのブランコがあった。
総士はその一つの前まで歩いて行くと、そこに一騎を座らせる。
「何で俺だけ?」と尋ねた一騎に総士はふわりと笑みを浮かべた。

「一騎の方が高く漕げるのが、本当はずっと悔しかったんだ」

そう言って座る一騎の間に足を掛けると、ブランコに立った総士はゆっくりと漕ぎ始める。
ギィ、ギィ、と錆びた金属の擦れる音が響いて、風が頬に触れる。
次第に心地よい揺れを起こすブランコに、一騎は少しだけ笑みを溢した。

「でもさ、総士」

何だ?といつもよりずっと高い位置から聞こえる返事に、一騎は総士を見上げる。

「子供の頃の俺より、今の総士の方が高く漕げるに決まってんじゃん」

悪戯っぽく一騎が言うと、案の定総士からの返事はなくて。
意外と、一騎から見れば意外でもないが、総士はこういう所に持ち前の負けず嫌いを発揮
したりする。
それがまさかブランコだなんてちょっと驚きだったけれど、なんだか必死になって漕いで
る総士を見ては「かわいいな」なんて思ってしまう。絶対否定されるから言わないけれど。

「でもさ、漕いでるだけじゃわかんなかった風が、座ってるとこんなに解るもんなんだね」

ありがと、と言って総士の足にこつんと頭をぶつけると、「どういたしまして」と頭上から
声がする。
それはそうともうかなり高い位置までブランコは大きく揺れていて、一騎は「高すぎない?」
とおそるおそる総士に聞いた。

「僕だってたまには、一騎に勝ちたいんだ。だからさ、もうちょっとだけ」

見上げていた一騎に目を合わせて今度は総士が悪戯っ子のように笑う。
一騎は最初こそびっくりしたものの、すぐに逸らされて上を向いてしまった総士に向かって

「俺の方がなんだか、負けっぱなしな気がするんだけど」

と聞こえないように呟いた。

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君と僕とあの夏の日と18
それから数日後、一騎は抜糸のために病院へ行った。
この数週間、傷の療養としてはあまりに色々な事が起こり過ぎて、一騎は本当に今日で通院が終わりに
なるのだろうかと内心疑う気持ちが少々あったのだが、包帯を外してから医師は「良好そうですね」と
言ってそのまま抜糸の準備をするよう看護師に伝えた。
準備が整うまでの間、医師は自分の両手に巻かれた包帯に目を留めているのを一騎は気付いて、

「片目に慣れなくて転んだんです」

と嘘を吐いて笑う。
「大変だったね、大丈夫?」となんだか嘘を吐いたのに見透かされてるんじゃないかと思えてしまうよ
うな返事が返ってきて、一騎は数秒遅れて「はい」と小さく頷いた。

その後、速やかに抜糸は済んだが、今度はずっと使っていなかった目を急に使うと疲れが溜まるからと、
すぐに運動など目を酷使するような事を避けるように医師は一騎に言った。
一騎は頷いて席を立つと、「ありがとうございました」と言って診察室を後にする。
なんだか、久しぶりすぎる両目での視界の広さと明るさに慣れなくて、一騎はしばらく立ち止まったま
ま何回も瞬きを繰り返した。

「終わったのか?」

後ろから声がして振り向くと、そこには総士の姿があって、今日は生徒会で遅くなると聞いていたから、
一騎はびっくりしたまま総士をじっと見つめてしまう。
そんな一騎の様子を見て総士は笑うと、「僚先輩がね、早く帰っていいって言うから」と言った。

「来て、くれたんだ」

一騎が思わず呟くと、総士は「いけなかったか?」と苦笑する。

「いや、うれしい」

そう言って一騎はにこりと微笑んだ。
笑っても片目が引き攣るような感覚が消えたことに、まだ何だか慣れなくてむず痒いような気持ちになる。
総士の側へ歩いていこうとした瞬間、窓からの日差しが目に入って一騎は思わず顔を顰めた。

「大丈夫か?」

と心配そうに声を掛けてくる総士に、「久しぶりだから眩しくて」と一騎は片目を押さえたまま力なく
笑う。
すると、一騎の目の前に総士の手が差し出された。

「危ないから、さ」

見上げた総士の顔はなんだかちょっと照れくさそうだったけれど、でも嬉しい気持ちの方が大きくて、
一騎は何も言わずにその手に自分の手を重ねた。


会計を済ませて外に出ると、太陽はかなり傾きかけていてもうすぐ夕暮れなんだな、と一騎は片目の瞼を
不自然に閉じながらぼんやり空を見る。
そのまま視線を落とせば繋がれた手があって、もう夏なのに不思議とそこから感じる総士の体温が不快
だとは思えない自分がいた。
いつだって総士の手は、なんだか安心する温度だよなぁと一騎は少し上にある総士の横顔を見つめて思う。

「どうした?」

あんまりにも見ていたからか視線に気付いた総士が声を掛ける。
「ううん、何でもない」と一騎は言って笑うと、つられて総士も笑った。

「何で笑ってんの」

「お前が笑うからだろ」

言ったと同時にぽん、と頭にのせられた手に一騎はまた嬉しくなって、「そうだね」と返す。
そのまま駅に向かう途中の道で、一騎は「あ!」と急に声を上げた。

「あの公園って、もう無くなったのかな?」

怪我をしたその日にたまたま行ったあの公園の取り壊し工事は、確かそろそろ始まっているんじゃないか
と一騎は思う。
別にすごく思い入れがある訳ではないのだけれど、なんとなくこのまま見ずに全部無くなってしまうのが
急に寂しくなって、一騎は「行ってみようよ」と総士に言った。
「そうだな」と頷いた総士が何を思っているかなんて解る訳は無いのだけれど、もしかしたら同じ気持ち
だったりするのかな、と一騎は総士の顔をちらりと見上げる。
すると総士は一騎を見て、「転ぶなよ」とだけ言って繋いだ手に少しだけ力を込めた。
一騎は思わず口元を綻ばせると、「大丈夫だって」と呟いた。

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君と僕とあの夏の日と17
眠る一騎の強く握りしめられた両手の拳を見て、総士は顔を顰める。
青白く変色する程に力が込められたそれは、最近では皮膚に爪が食い込むのか血まで滲むようになった。
総士は一騎を起こさないように静かにベッドに近寄ると、そっと片手を取る。
やんわりと両手で包みながらいつものように少しずつ握りしめられた指を解いていこうとした時、
つぅ、と一筋赤い滴りが流れ落ちて、総士は目を見開いた。

「一騎」

そのまま声を掛けてみるが、いつもなら少しの物音ですら起きる一騎はぴくりとも動かない。

「一騎っ」

強く声を掛けながら肩を揺さぶれば、暫くして一騎はゆっくりと目を開けた。
総士は少しほっとすると「大丈夫か?」とゆっくり、確認するように尋ねる。

「…え?」

初めは状況がわからず何度も瞬きをしていた一騎は、自分の右手に重ねられた総士の手を見て
はっとしたような表情を浮かべては視線を彷徨わせた。

「とりあえず手当しよう」

総士は少しだけ重ねた手に力を込めると、優しく一騎に言った。
「救急箱取って来るから」と立ち上がって部屋を後にする。
ドアの所でちらりと一騎の方を振り返ったが、彼はずっと下を向いたままでどんな表情をしているのかは
わからなかったが、血の滲んだ両手を開いて見つめたままのようだった。
リビングに置きっぱなしになっていた救急箱を取ると総士はそのまま一騎の寝ている部屋に向かおうと
した足を止める。
まだ自分は彼を助けきれてはいないのだと、総士は唇を強く噛みしめた。
どうしたらいいのだろうと思うけれど、今は感情的な言葉をなるべく言わないように、混乱しているのは
一騎の方なのだから、と何度も自分に言い聞かせる。
ひとつ大きく深呼吸をして、総士はゆっくりとドアを開けた。

「手、見せて」

総士はベッドの横に座ると、あえて一騎の手を取らずに声だけ掛ける。
出て行った時のままだったのか、ずっと自分の手を見つめていたらしい一騎はその声にびくりと肩を震わ
せると、「大したこと…ないから」と消え入りそうな声で言った。

「このままじゃ、痛いだろ」

「ほんとに、大丈夫」

「一騎」

頑なに断る一騎に総士は少し強く言葉を遮るように言うと、一騎はまたびくりと震えて初めて総士の顔を
見る。
その余りにも怯えた表情に今度は総士がはっとして、「ごめん」と呟いて静かに手を取った。
「染みると思うけど、ちょっと我慢して」と断ってから総士は慣れた手つきで消毒液を吹き掛けていく。
開かれた手のひらには爪の形に抉れた傷が左右に4つずつあって、総士は自分の方が痛いような気持ちに
なってしまう。
大きなガーゼを切って傷口を覆うように当てると、固定するために包帯を巻いた。
目の手当でこういう扱いに慣れたからか、左右に包帯を巻くのも大して時間はかからなかったのだが、
その間、二人はずっと無言だった。
包帯留めで固定をしおえると、総士は一騎の手にまたゆるりと自分の手を重ねる。
そうして静かに口を開いた。

「夢、見るんだろ?」

「何の」とはあえて言わなかったが、言う必要も無かったし、言ったら更に一騎を追い詰めることにな
らないかと思う。
一騎も総士の意味する所は理解したようだったが、だからこそなのか、まだ無言のままだった。

「本当は気付いてたんだ」

「えっ?」

「その手も、あれからずっとお前が魘されてることも」

おそるおそる総士が告げると、一騎は総士の方を一瞬見てはすぐに顔を下に向けてしまう。
途端に握りしめそうになった拳を止めるように総士が手を重ねると、引き攣ったように息を飲む音が聞
こえた。

「すぐに忘れられるような、そんな簡単なものじゃないことはわかってるつもりなんだ、だけど、だか
ら、もしも苦しい時があったら、僕に話してくれないか?」

「…そのうち、忘れるから。だからこれ以上総士に」

「もう一騎一人に、苦しい思いをさせたくないんだ」

一騎の言葉を最後まで聞かずにあえて総士は遮ると、またゆるゆると顔を上げた一騎の目を見つめる。
不安なのか負い目を感じているのかわからないが、不自然に揺れる瞳が痛々しいと総士は思う。
「総士」と聞こえるか聞こえないかの小さな声で自分の名前を呟いた一騎に、総士は今この場に不釣り
合いだろうかと思いつつも微笑んだ。

「もう、一人だけで苦しまないでほしいんだ…僕も、いるから」

そう言って総士は一騎の手をしっかりと握りしめた。

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君と僕とあの夏の日と16
「風船なんて配ってるの今時珍しいよな」

スーパーの新装開店記念のイベントが行われていたのを横目に見て一騎は言った。
総士は風船?と思っても特に昔から気にしたことがなくて、言われた意味が実はいまいち
理解出来ていなかったのだが、そもそもこの沿線で小さいながらも何かを配るような
イベントが行われることは久しく無かったように記憶しているので、まぁそうなのかなと
とりあえず頷いてみる。

「小さい頃はさ、あれ貰うとすごい嬉しかったんだ」

と一騎は微笑ましそうに子供達が風船を貰って行く光景を見て言う。
まぁ今でも貰ったら嬉しくないわけでもないんだけど、と少し気恥ずかしそうに一騎は
付け加えた。

「貰いに行くか?」

何の気なしに尋ねると、「いいってば」とまた頬を赤くして一騎は反対したが、
ちらりと見た看板には期限は今日までという文字が書かれていて、丁度駅に行く道すがらでも
あったので、総士は一騎の腕を無理矢理引っ張ると、風船を配っている人の側に歩いて行った。

「どうぞ」

子供だけかと思ったら意外と普通に差し出されてしまった黄色い風船を目の前にすると、
自分から連れてきたくせに受け取るのが恥ずかしくなって困ったなと思って総士が躊躇った瞬間、
まるで見計らったかのように横から一騎が手を出して風船を受け取る。

「ありがとうございます」

と、さっきまであれだけ恥ずかしそうにしていたのに今ではにこりと微笑みまで浮かべて会釈を
する一騎になんだか呆れるような感心するような複雑な気持ちで総士は見つめると、今度は総士
の方が腕を取られてぐいぐいと引っ張られる。
夕方の人波をかき分けるように駅のホームへと歩くと、丁度そこへ来た電車に滑り込んだ。
なぜかあまり人の乗っていない車両だったのでまたも椅子にゆったりと二人で腰掛けると、
貰った風船の糸をくるくると指に巻きつけたり解いたりしながら一騎が口を開いた。

「昔さ、まだ母さんがいた頃なんだけど」

一旦言葉を切った一騎と、その紡がれた言葉に総士は思わず一騎の方を見やる。
すると一騎は「別に大した事じゃないんだけどさ」と困ったように笑ってまた口を開いた。

「今日みたいによく風船貰う機会があって、で、いつもは貰った途端に離さないように指にぐる
ぐる糸巻いて持ってたんだけど、なぜか一回だけそれをしなかった時があって、そしたらやっぱ
りふとした瞬間に持ってた手を離しちゃって、飛んでっちゃったんだよね」

そこまで言って一騎は総士をちらりと見ると、また思い出したような顔をして笑う。

「みるみるうちに空高く飛んでってさ、でもなんか、そこら中にある電柱の上にもしかしたら
引っかかってるんじゃないかって思えて、ずっと家に帰るまで電柱ばっかり見てて、そしたら
母さんが、また買ってあげるから諦めなさいって言うんだけど、確かに同じ黄色い風船でもさ、
その風船とあの飛んでった風船は違うんだって、なんかずっと駄々こねてた」

今思えば確かに色も形も同じなんだけど、なんかあの頃はそれが全然違うものに見えてたんだ、
と一騎は言って指に巻いた糸をくるくると解き始める。
「あ」と一騎が口を開けた瞬間、指に巻きついていたはずの糸がするりと抜けて風船が浮かび
上がる。
総士は慌ててその糸を掴むと、風船を一騎の側へ引き寄せた。
まぁ、電車の中だから飛んで行ったとしても天井までなのだけれど。

「ごめん」

そう言って一騎はまた大事そうに糸をくるくると指に巻き始める。

「ちゃんと持ってろって、代わり、ないんだから」

総士が呟くと、そうだね、と言って一騎は風船を持っていない方の手で総士の手をそっと握った。

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